プログラミング

【AIに負けない】小学生はプログラミング的思考を身につけるべし!!

いの

プログラミングが義務化されたのに、夏休みを過ぎてもプログラミングの授業がないのはなんでだろう…。

学校ではどんなことを教えてくれるんだろう…。

学校の授業でプログラミングが使えるようになるのかなぁ…。

ぽっぽ

学校ではプログラミングではなく、プログラミング的思考を学ぶことが目的だよ。

具体的な授業内容は学校に任されているから、学校によって、学ぶ学年、学ぶ内容が違うみたい。

文部科学省の「プログラミング教育の手引き」を利用して、学校でどんな勉強をするのか説明するね!!

こんな方にオススメ
  • 学校でプログラミングの授業が始まらない理由を知りたい。
  • 学校でどんなプログラミング技術を学べるのかを知りたい。
  • 学校の授業だけでプログラミングが使えるようになるか知りたい。

小学校で「プログラミング教育」が義務化されたのに、全く授業がありません。

2020年度、ついに小学校で「プログラミング教育」が義務化されました!!

前代未聞のコロナ休学で始まった2020年度だけど、振り返ってみれば、ZOOMを使って授業をするなど、これまで以上にパソコンを使う機会に恵まれていたわけで、プログラミングを学ぶには絶好の機会だったかも。

わが家の小学2年生になった娘も、プログラミングに興味があったので、4月からどんな勉強をするのか非常に楽しみに待っていたのですが…。

休校明けで学校に行くようになっても、夏休みを終えても、学校でパソコンに触れることはなく、いつになっても「プログラミング」を学ぶ気配がありません。

これは…どういうことだ?

いの

プログラミング教育も、コロナの影響で延期になっているのかな?

疑問に思ったボクは、文部科学省が公表している小学校プログラミング教育の手引き未来の学びコンソーシアムを読み込んで、学校ではどのようにプログラミングを学んでいくのかを調べてみました。

そこには、学校でプログラミングを教えてくれるのかな~と、ぼんやり考えていたボクにとって、驚くべき内容が書かれていました…。

プログラミング教育のねらい

プログラミング教育では、プログラミング技能の習得を目的としていない。

プログラミング教育を通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることは考えられるが、それ自体を、ねらいとはしない。

文部科学省:プログラミング教育の手引き p.6

なんと!!!!

プログラミング義務化といっても、プログラミング自体を学ぶわけじゃないのね!!!!

小学校だけでなく、2021年度から始まる中学校においても、「プログラミング」という科目が新設されるわけではなく、「何年生でどのようなプログラミングを学ぶのか」という具体的な内容も決まっていません。

プログラミング技能の習得がねらいでなければ、文部科学省の考える「プログラミング教育のねらい」とは、いったい何なんでしょうか…。

「プログラミング」という科目は存在せず、各教科のなかで「プログラミング」を利用する。

結論として、学校の科目で「プログラミング」という科目ができるわけではありません。同じく2020年度から必修化された英語は、「英語」もしくは「外国語」という教科として学んでいくのですが、それとは違うようです。

あくまでも、算数や理科、音楽などの各教科の中で、授業をわかりやすくするために、プログラミングを利用していく、という風に考えた方が良いでしょう。

だから、小学校6年間のうちに、何年生のどの科目で、どんなことをやるのかは、学校によって違います。

  • 「プログラミング」という科目は存在しない。
  • 算数や理科、音楽などの各教科のなかで「プログラミング」を利用する。
  • 小学校6年間のうち、何年生のどの科目でやってもいい。

これは、先ほどの「プログラミング技能の習得を目的としていない」プログラミング教育だから、なのでしょうか。

いずれにしても、プログラミングをどのように学ぶのかは、各学校に聞かなければわからない、ということですね。

なぜこのようなことになっているのか。

それを理解するために、文部科学省の考える「プログラミング教育の3つのねらい」を説明します。

どんな授業をするかは、各学校が決めるので、学校に聞かないとわからない。

プログラミング教育の3つのねらい

「プログラミング教育の手引き」の中には、大きく3つのねらいがかいてあります。

  1. プログラミング的思考を育む
  2. プログラミングの働きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピューター等を上手に活用して問題を解決しようとする態度を育む
  3. 各教科等の学びをより確実なものとする

それぞれ、わかりやすく説明します。

プログラミング的思考を身につける

プログラミング的思考は、プログラミング教育義務化の柱とされていますので、詳しく説明しますね。

プログラミング的思考とは、

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。

文部科学省:プログラミング教育の手引き p.13

とされています。

ちょっとややこしいので、ボクなりにシンプルにまとめると、次のようになります。

プログラミング的思考とは、意図した通りに動かすための、命令の出し方を考える力。

これからの子供たちは、ロボットやAIなどを使いこなして仕事をしていくことになるでしょう。

そのときに、どのように命令したらいいのかを学ぶのが、プログラミングを学ぶということです。

だから、プログラミング義務化とは、ロボットやAI時代を生きる子供たちが、それらを使いこなすための授業をしているのですね。

プログラミング義務化は、ロボットやAI時代を生きる子供たちが、それらを使いこなすため。

ここで注意が必要なのが、以下の記載です。

”プログラミング的思考に必要な思考力、判断力、表現力等は、短時間の授業で身につけさせたり急激に伸ばしたりできるものではないことに留意する必要があります。(中略)思考力、判断力、表現力等を育む中に、「プログラミング的思考」の育成につながるプログラミングの体験を計画的に取り入れ、位置付けていくことが必要となります。”

つまり、子供たちが将来必要としている「プログラミング的思考」を身につけるためには、学校でのプログラミング体験だけでは足りません、そういうことです。

ロボットやAIを使いこなすには、学校のプログラミング体験だけでは足りない。

プログラミングの良さや社会での活用に気付き、コンピューター等を上手に活用して問題を解決しようとする態度を育む

正確には次のように書かれています。

”プログラミングの働きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピューター等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりより社会を築いたりしようとする態度を育むこと。”

気付き(コンピュータの良さ、社会での使われ方)

   +

態度(コンピュータを使って身近な問題を解決、よりよい社会を築く)

これには、小学生から高校生まで、段階的に細かい目標が設定されています。

有識者会議「議論の取りまとめ」(抜粋)

  • (小)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
  • (中)社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること。
  • (高)コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。

これを見ても、小学生はプログラミング作成を期待されていないことがわかりますね。

各教科等の学びをより確実なものとする

みなさん、正三角形を描くことができますか?

ボクたちは、コンパスを使って描き方を学びました。

1本の線分を描いて、コンパスを使ってその線分の両端から円を描き、円の交点と線分の両端を結ぶと、正三角形が描けます。

これは、3つの線の長さが等しくなる、という正三角形の性質を利用した描き方ですね。

プログラミング教育では、これと同じように正三角形の性質を利用して、コンピュータに描き方を指示します。

「辺の長さが全て等しく、角の大きさが全て等しい」という正多角形の性質を使って作図する場合を考えてみます。

この場合、「長さ80 進む(線を引く)」、「左に120 度曲がる」とい
ったコンピュータが理解できる命令を組み合わせることで「正三角形をかく」ことができます。

このとき、それぞれを3回命令してもいいし、「3回繰り返す」という命令を加えることもできます。

正八角形のプログラミング
参照:https://miraino-manabi.jp/content/111

角度と回数を調整することで、正三角形のプログラミングを利用して、正八角形も簡単に描くことができます。

これは、正〇角形の性質を理解するのに便利ですね!!

まとめ

個人的には、第一印象として、あまり良い感じはしませんでした。

これは…もしかしたら、ボクたちが学んだ「英語」のように、知っているけど使えない知識を覚えた、という事態にもなりかねないな、と。

英語を喋れない英語教師から英語を学んでも、英語を喋れるようにはなりませんでした。

今回のプログラミング教育も、プログラミングを使えない教師からプログラミングを学ぶことになるので、これだけではプログラミングを使えるようにはならないでしょう。

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でも、悪い点ばかりじゃないよ。

現時点では、教員のスキルに依存しているプログラミング教育ですが、非常に可能性を秘めているとも言えそうです。

今後、学校も徐々にノウハウを身につければ、各教科のどこでどのようにプログラミングを取り入れたらいいのか、少しずつ分かってくることでしょう。

それで各教科の学習効率があがれば、各教科にどんどんプログラミングが組み込まれていきます。

定規やコンパスを、線の長さを測ったり、円を描く道具として学んだのと同じように、プログラミングを道具として学ぶのです。

そうすると、授業で自然に「プログラミングをどう使うか」まで学習するので、もはや「プログラミングを学ぶ」という概念自体がなくなるかもしれません。

そんな風にして「プログラミング的思考」を身につけたら、プログラミングを「使う側」として成長していけるようにも思えます。

プログラミングを学ぶなら

結論として、現状では義務教育だけでプログラミングを使えるようになるのは、難しそうです。

できるだけ苦手意識を持たずにプログラミングを学ぶためには、小さいうちから楽しんでプログラミングに触れることが大切です。

とはいえ、プログラミングのおもちゃ、プログラミング教室など、たくさんありすぎて選ぶのが難しくなってしまいますよね。

その中から、個人的にオススメのプログラミング教室を3つ厳選しました。

よろしければ、そちらもご覧ください。

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理系男子、アラフォー。中間管理職、大学院生、2児のパパの忙しい毎日でも、人生をちょっと豊かにしてくれたガジェット、体験、本などを紹介していきます。