ボクはバスケが嫌いでした。
あんな小さいゴールにあんな大きなボールを投げ入れるなんて、無理。
できないのは悔しいからメチャメチャ練習したけど、どれだけ練習してもほとんど入らないし、入ってもマグレだから再現性がない…。
だけど、理系の知識を使ってバスケを解きほぐしたら、ちゃんとゴールに入るようになって、バスケを楽しめるようになりました。
必要だったのは、練習量ではなく、考え方でした。
- 勉強が実生活で役立つことを実感して、勉強が好きになる。
- 無駄な練習時間を短縮して、好きなことに集中できる。
- バスケがうまくなりたいという純粋な気持ちも満たされる。
- 勉強ができて運動でも活躍したら、異性にモテないわけがない。
- 運動の習慣化で健康になるだけでなく、集中力や記憶力も向上。
バスケの基本と言われるレイアップシュートさえ覚えれば、そこそこ使えるヤツになれるので、ここからは、理系がレイアップシュートを決めるための考え方をお伝えしていきます。
「レイアップシュートってなに?」って思ったかた、大丈夫です。
のちほど説明するので、気にせず先に進みましょう。
バスケで活躍するには「物理」を活用
この問題を見た時に気付きました。
バスケ=ボールをカゴに投げ入れる=放物線=物理の基本
これにきづいたとき、あぁ…ボクは紙の上でしか勉強してなかったんだなぁ…とショックを受けたんです。
だって、放物線なんて、物理の基礎の基礎じゃないですか。
なんども繰り返し解いてきて、どんなに遠くてもちゃんと到達点を計算することが出来ている。
これをバスケに利用しない手はないじゃないか!!
ここに気づくか気づかないかで、練習の意識の向け方が変わるから、練習の質が違ってきます。
それまでのボクは、どうすればゴールに入るのかがわからないまま、やみくもにボールを投げる練習を繰り返していました。
もっと強く投げるべきなのか、もっと高く投げるべきなのか、走り方がわるいのか…色々工夫をしましたが、どれもしっくりこず。
そこで物理の考え方を取り入れたところ、何を意識するべきか、入ったor外れたの結果から何を修正していけばいいか、具体的なポイントがわかり、それからはゴールを決められるようになりました。
大切なことだからもう1度言います。
必要なのは、練習量ではなく、考え方です。
これが、理系男子が運動するときのコツ。
バスケが苦手ならレイアップシュートを覚えよう
ここからは、図のようなゴールの近くでボールを投げ入れる『レイアップシュート』にしぼって考え方を伝えていきます。
なぜレイアップシュートに絞るかというと、最も失敗が少ない方法だからです。
すでにレイアップシュートを完璧にこなせている人がレベルアップのために別のシュートに取り組むのはOKですが、まだの方はぜひ、レイアップシュートの練習から始めて、ゴールできる喜びを感じるところから始めてください。
ゴールの近くで投げる方法だから、何が何でも高く飛んで、とにかく高く手を伸ばすことで、手をゴールに近づけるのがコツ…ではありません。
めいっぱい高く飛ぼうとすると、ジャンプすることで必死になって姿勢が崩れてしまい、ボールのコントロールがおろそかになってしまいます。
大切なのは、
ボールにどんな力を伝えるか
を意識することです。
ボールに働く力をみつけよう
物理の基本中の基本は、物体に働く力をみつけて、それらをすべて矢印で描くことです。
すべての問題はこれができれば解けたようなもの、と言っても過言ではない、物理の考え方です。
物体に働く力をみつけるには、通常では2つの視点があれば問題ありません。
- 重力:mg
- 物体に触れているもの
この原則に照らし合わせて考えると、空中を飛んでいるボールには、空気以外に触れているものはありませんから、空中に投げ上げられたボールには、重力の影響であるmgだけしか力が加わりません。
これはつまり、自由落下ですね。
となると、ボールを手放すまでにどのような力が加わっているかを考えればいいことになりますね。
ボールを手放す前に加わる力をシンプルに考えると、2つの力がみえてきます。
- ボールを投げ上げる手の力
- 移動している身体から伝わる力
①はすぐにわかりますが、意外と②が抜け落ちていませんでしたか?
ボールには、腕から生み出される力だけでなく、身体の動きからも力が伝わっています。
だから、「投げ方」だけを意識していても、いつまでたってもうまくいかないわけです。
この「身体の動き」を意識するだけで、成功率がぐっと上がります。
Step1:最高到達点をイメージして投げる
レイアップシュートにおけるボールの軌道は、「ゴールに置いてくる」という表現が使われることが多いです。
投げてるのに「置いてくる」とは、どういうこと?
これは、ボールを投げ上げるときの、「高さのイメージ」と理解することができます。
「投げる」という言葉からは、できるだけ高く飛ばして、ゴールに勢いよくぶつかるような、そんな強く激しいイメージが浮かんできます。
「置く」と言われると、ゴールのところで止まるように、ゴールの高さが最高到達点になるような、そんなボールの動きがイメージできます。
「どこまで飛ばすか」ではなく、「どの高さで止めるか」
このイメージの違いが重要です。
先ほど伝えたように、ボールには①投げる腕と②動く身体の2つの力が加わっています。
この2つを調整して、ゴールの高さが最高到達点になる=ゴールの高さでボールが止まる ように、ボールに力を加えることがコツです。
ここは練習が必要なポイントですので、ボクが実践した練習方法をお伝えします。
- まっすぐ上にボールを投げる練習。上に投げたボールが手元に戻ってくるように練習する。
- 立ったまま上にボールを投げ上げ、狙った高さまでボールを投げ上げる練習。
※体育館の壁にある模様や線などを指標に、1つを完璧にするのではなく、ランダムな高さで実施する。 - ゴールの高さまで投げる練習。
この段階では、まだゴールという点をねらう必要はありません。
どれくらい腕からボールに力を加えたら、どのくらいボールが高く移動するのか、その感覚をつかめれば、それでOKです。
練習法の中で投げる距離を変えて実施しているのは、運動学習理論を利用した練習法を取り入れるためです。
同じ課題を完璧になるまで繰り返すよりも、複数のバリエーションで練習した方が学習効率がいいことが、すでに証明されています。
ボクが毎日病院でリハビリをしているときにも利用して効果を実感している理論なので、間違いありません。
Step2:ジャンプした勢いをボールに伝える
実際には、ボールを飛ばすのに、腕を思いっきり振り上げる必要はありません。
今度は逆に、腕を振らずに、ジャンプした勢いだけでボールがどれくらい高く飛ぶのかを見てみましょう。
もしよかったら、記事を読むのを少し止めて、近くにある物を掌の上に載せて、手で押さえずにジャンプしてみてください。
※もし落ちて壊れても支障がない物を使用して下さい。
どうでしたか?
これ、やってみると意外に高く飛ぶから驚きませんか?
重力に逆らって飛び跳ねた体の勢いは、そのまま手の上の物に伝わるので、思った以上に高く飛びます。
この「思った以上に加わっている力」が、うまくいかない原因です。
この力をコントロールすることで、ゴールの確立がぐっと高くなります。
それでは、こちらも練習していきましょう。
- 掌の上にボールを載せ、真上にジャンプした勢いだけでボールがどこまで飛ぶかを体感する。
- 体が最高到達点になりボールが手から離れていくのに合わせて手を上げて、できるだけボールに長く触れているようにする。
- 「押し出す」ようにして、ボールを投げ上げることなく、軽く上方に運ぶ感覚をつかむ。
こうすることで、腕の力を使わなくてもボールを高く投げ上げることができます。
これにより、ボールを投げる際の姿勢(フォーム)が安定して、再現性が高くなります。
更に、落ち着いてボールを投げられるから、ボールの軌道や最高到達点を見る余裕が生まれ、結果を確認した上で修正を繰り返すことができるようになります。
Step3:横方向への力は身体から伝わる力だけ
ボールをななめに投げた時の横方向の移動距離は、放物線を考えればシンプルになります。
投げ上げから最高到達点までと、最高到達点からキャッチするまでの移動距離は、等しくなりますね。
ボールを真上に投げ上げる場合、ボールに対する横方向の力は、身体から伝わる力だけになります。
つまり、ゆっくり歩いてジャンプすればボールも少ししか横に移動しないし、思いっきり走ってジャンプすれば、ボールも遠くまで横移動してしまいます。
これを実際のプレーに当てはめると、シュートを打つときには、出来るだけ横方向の移動は少ない方が狙いやすい、ということになります。
そうなると、だーーーっと長い距離をドリブルした勢いからのレイアップシュートは、意外と難しいのですね。
シュートを打つ前の最後のジャンプは、しっかりブレーキをかけて減速したうえで、前ではなく上方向を意識して飛んだ方がよいでしょう。
- まっすぐ歩きながら真上にボールを投げ、歩き続けても手にボールが戻ってくるようにする。
- まっすぐ歩きながら1歩だけジャンプして、①と同様に真上に投げ上げたボールが手元に戻ってくるようにする。
- 走った勢いから最後に小さくステップして減速し、勢いを殺さずに上方にボールを投げ上げる。
あとはボールの最高到達点をゴールの上に合わせるだけ!!
あとは、Step1から3までを組み合わせて、練習あるのみです。
特に、身体の動きがボールに伝わるのを感じながら練習するだけで、ボールを軽く投げられていることがわかるはずです。
これを繰り返すと、身体の動きに合わせて、腕の動きを調整する投げ方が身につきます。
同じ課題を繰り返すのは学習効率が落ちてしまうので、ゴールからの距離、ゴールに向かう方向、走るスピードなど、いろいろなシチュエーションを考えて、それぞれ調整しながら最適解を身に着けてください。
計算で導くとしたら…
最高到達点を導き出すには、等加速度直線運動の式が使えます。
投げ上げでは、上向きを正(+)と考えるので、下向きの重力方向はマイナスになることに注意してください。
つまり、加速度a=-g(m/s^2)で計算します。
- y=Vo t – 1/2 g t^2
最高到達点を求める公式は… - y=Vo^2 / 2 g
こうすると、ボールが手から離れるさいの速度(初速)が重要なことがわかりますね。
バスケゴールの一般的な高さは305㎝です。
身長165㎝の人が、ちょうど頭の高さでボールを手放した場合、
頭からゴールまでの距離は、305-165 = 140cm=1.4m
重力加速度g = 9.8 m/s^2としましょう。
これを先ほどの計算式に当てはめると…
1.4=Vo^2 / 2 × 9.8
Vo^2 = 1.4× (2 × 9.8)
Vo^2 = 27.44
Vo ≒ 5.2m/s
どうやら、5.2m/s でボールを投げ上げるのがよさそうですね。
…わかりやすい…でしょうか?
やっぱり、頭を使っているだけではだめですね。
実際に身体を動かして、イメージ通りに身体が動くように、練習は必要ですね。
レイアップシュートが出来るようになると、ゴール下に立っているだけで戦力になるので、体力がなかったり、足が遅かったりしたとしても、重宝され、ヒーローになれます。
普段は運動が苦手な人にこそ、是非とも覚えていただきたい技術です。
理系知識を使って、効率的にレイアップシュートを覚えて、バスケを楽しんでください!!
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